東日本大震災では現時点で死者1万5625人、行方不明者は4823人だそうです。(7月24日、警察庁まとめ。共同通信)

身近な人の死は、私たちに大きな喪失感をもたらします。
特に今回の震災のように予期せぬ死は、戸惑いが大きいことでしょう。
ショックのあまり現実を受けとめられず、命を奪われた怒りや恨みの気持ちが湧きあがったかもしれません。親しい人の死で起こりやすい感情には・・・
喪失感、否認感情、孤独感
パニック、ショック
不眠、虚脱感、うつ
後悔、自責の念、罪悪感
今も毎日がピースの欠けたパズルのような、何かが足りない思いが続いている方は多いことでしょう。もしくは、その人が使っていたモノや、好きだったコトに接した瞬間に思い出がよみがえり、胸が苦しくなってしまうかもしれません。
ことさら辛いのは、若い人の死でしょう。お子さんどうしの間で、お友達が亡くなった子もいるかもしれません。
昨日まで一緒に過ごしていた友達や家族が急に亡くなってしまったとき、人は
「なぜ自分が助かったのか?」
「なぜ自分が生き残ってしまったのだろう?」と罪深さを感じてしまいがちです。
また、「どうして助けられなかったのだろう」
「家族を迎えに行けなかった」といった自責の念も生みがちです。
時には、「生きているのが申し訳ない」
「自分一人だけ幸せになっていいのだろうか」と自制する人もいるほどです。
どうぞご自分を責めないでください。近しい方が亡くなったのは、あなたのせいではありません。「生きていてほしかった」という強い思いが、自分を責めてしまうのです。あなたは精一杯やりましたし、あの状況では仕方がなかったのです。
一方、行方不明の場合も、葬儀などの喪に服すプロセスを進めることができず、宙ぶらりんな生活が続いてしまいます。
見つからないお子さんを毎日探し続けるお母さんの新聞記事を読み、思わず涙を誘われました。現地を片時も離れることができないお気持ちも、わかります。さぞかしお辛いことでしょう。
この悲しみを乗り越えるのは、とても難しいことだと思います。そんな時、同じ苦しみを抱えた人どうしで語り合うシェア会と呼ばれるグループミーティングも良いでしょう。
ここで心配なのは、悲しみが長期化したり、うつ状態になってしまうことです。大切な存在であればこそ、さまざまな悲しみの感情や症状が起きるのは、当然でしょう。けれども、残された側の人生も大切にしていかなくてはいけません。
それには、どうすれば良いのでしょうか?
死の苦しみや悲嘆に向き合う作業を、グリーフ(grief=悲嘆)ケア、グリーフワークと呼びます。
その一つは、「悲しみと向き合う」こと。
次に、そういった「心の痛みを表現」すること。
そして、「故人との絆を大切に保つ」ことが効果的だと言われています。
それは、ゆっくりと喪失を受け入れ、やがて変化に折り合って生きていくプロセス。
周囲が気をつけたいのは、元気づけようとして「いつまでも悲しんでいないで」と悲しむ感情を否定したり、「強くならないと」と励ますことです。すると、本人は感情を抑えたり、悲しみのペースを乱してしまいます。
どうぞ思う存分、悲しませてあげてください。悲しみが長引いて心配な場合には、「亡くなった方も、きっとあなたが笑顔で生きていくことを望まれていますよ」と伝えてあげましょう。
その人と一緒に過ごした時間という素晴らしいギフトは、いつでも胸のうちにちゃんととどまっているのですから。
テーマ : チェブラーシカ
ジャンル : 日記